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航空機翼の抗力予測精度検証
遷音速条件における抗力予測は、衝撃波による剥離やバフェットに伴う潜在的な不安定性があるため、CFDコードにとって複雑な問題です。この検証では、様々なグリッドや乱流モデルを比較することで、正確な抗力予測に必要とされるCFD機能を評価しています。
下図は迎角α=4.25degにおける各乱流モデルの表面摩擦抗力係数Cfのコンターを示しています。
さらに翼と胴体の接合部に注目すると、 QCR補正により流れの非物理的な分離が抑えられており、実験との相関が大幅に改善されることがわかりました。また、RC補正では僅かながら衝撃波の上流への移動が見られ、これによってピッチングモーメントが減少し、結果が改善されました。
下図は抗力・揚力係数およびピッチングモーメント係数の関係を示したグラフです。特にSA-QCR、SA-RC-QCRでは実験プロットとの良好な傾向の一致を示しています。
現時点の課題の一つとして、静的空力弾性効果が原因と推察される特定の迎角における荷重の過大予測が挙げられており、予測精度をより高めるために様々な研究を行っています。